今回は, 「精神分析批評」という文学理論について紹介します。

精神分析の簡単な説明をした後,

特に「エディプス・コンプレックス」という概念についてお伝え致します。

 

 

「精神分析批評とエディプス・コンプレックス」

・精神分析とは

精神分析とは, 心理学博士, 精神科医のジークムント・フロイト (Freid, S) 提唱した学問, 心理療法です。

 

現代までに, 様々な理解を手伝う学問です。

 

フロイトは, 神話で用いられていた無意識を研究し, 人々の無意識を明らかにしようとしてきました。

 

その最初の手段が, 自由連想法です。

 

自由連想法とは, カウチ (寝椅子) に横になり, ただ思いついたことを患者に言語化してもらう中で, 無意識を発見するものです。

 

精神分析用語の中では, 次のような言葉が有名です。

 

「夢分析」「無意識」「転移」「神経症」「自我」「超自我」「防衛」

 

これら1つ1つを紹介していけば, 文学をさらに面白く読むことができると思いますので, 今後, 可能であれば, ご紹介していきたいと思います。

 

そして, 今回はその中で, 私が特によく見かける「エディプス・コンプレックス」について詳しくご紹介します。

 

・エディプス・コンプレックスとは

エディプス・コンプレックスは, フロイトが人間が皆, 経験するものであり, 経験されないのであれば, 「固着」と言われる, 病理として表出する可能性があると述べました。

 

そもそもエディプスコンプレックスとは,

ギリシア神話から来ており, エディプスとは, ギリシア神話の悲劇の主人公の名前です。

どんな物語なのか簡単に紹介します。

「エディプスは, 自分の母親に, その受精が母親とは知らずに恋心を抱き, 父親を殺して母親と結婚しました。しかしその後ついに彼は自分のしたことを知ってしまい, 自分の目をくりぬいて放浪の旅に出ました。」

という話なんです。

 

この物語の主人公の持つ心は, 私たちが持つ心と共通しているのだと言いたいわけです。

 

フロイトはこの心を以下に説明しました。

「エディプスコンプレックスとは… (中略) …異性の親に愛情を向け同性の親を憎み殺したいと願うこと (エディプス願望) , またそこで派生する同性の親から処罰を受ける不安 (去勢不安), 異性の親を手に入れる (同時に同性の親を排除する) ことからくる罪悪感など, 「父, 母, 子」の三者関係を巡って, さまざまな情緒が入り乱れることを指します。」

 

つまり, 男の場合, 母親と1つになりたい, 独占したいという欲求を激しく感じるのですが, 父親を母親を求めるライバルだと認識します。憎み, 「いなくなればいい」と感じるのです。

 

しかし, 父親は偉大で, 勝てっこないと感じ, 報復されるのではないかと感じます。

この恐怖を男根を切られるのではないかと感じることから「去勢不安」と呼ばれています。

 

そして, この感情が沸き起こる時期を, エディプス期と言いました。

エディプス期とは, フロイトが提唱した「精神性的発達論」の中の1つです。

 

3~5歳の時期のことを男根期, あるいはエディプス期と言います。

「最終的には, 父親への愛情が憎しみに勝ることで, 母親を手に入れたいという分不相応な願望を放棄し, 『両親に愛される子ども』として, 愛情を感じる父親に同一化し, 内在化することで, 主体性を発揮できるようになることが期待される。」

 

この感情は, 適切に通って成長することが望まれています。

 

なぜなら,

「この過程で, 自分の願望を社会的な善悪の価値観に照らして判断することを身に着け, 価値基準を司る超自我が形成されるため, 非常に重要な段階である。」

 

この時期を通らなければ, 善悪の価値観が発達せず, 「~をしてはいけない」などの「超自我」を形成できなくなります。

このように, ある時期を通らずに成長しなかったことを「固着」と言います。

 

・女の子の場合「エレクトラ・コンプレックス」

また, これは男の子の説明ですが, 女の子でも同じようなことが生じます。

これを「エレクトラ・コンプレックス」とも言います。

 

エレクトラ・コンプレックスとは

「幼い女の子は男根期以前にはもっぱらお母さんの愛情を求め, 『父親は (母親の愛情と感心をめぐる) 好ましからぬ競争相手であるにすぎない』のに, 男根期に入ると父親の愛情を求めるようになり, 『父親への優しい情愛, 母親を邪魔者として片づけてしまい, その地位を自分が占領しようとする欲求, 大人になった女性の使う手段をすでに用いる媚態を見せる』。」

 

・現代のエディプス・コンプレックス

現代では, どのように理解されているのかお伝えします。

上記では, 親子関係の中で生じるというように書きましたが,

現代では, 主にエディプス葛藤が生じる場合に, 理解されます。

 

つまり, 男女の三角関係における葛藤が生ずるのであれば, エディプス・コンプレックスの概念として理解されます。

恋人の友人を憎む一方では, 恋人の友達関係を壊してしまえば, 友だちから報復を受けるのではないかという葛藤が生じる場合があります。

 

このように, 親子関係があらゆる三者関係に投影, 転移することによって, 同じ心理が生ずるということです。

 

・文学に見る

文学に見る精神分析とは, ある意味では, どの作品でも精神分析的に見ることはできます。

1つの作品を精神分析的に見ることで, 物語の成り立ちや主人公の行動や心情をより理解することができます。

 

三者関係の中で, 「愛と憎しみ, 報復と恐怖, 同一化と排除」の概念が見られる場合, 全てではなく, 多くはエディプス・コンプレックスと理解できる可能性があります。

 

有名な作品では

「スターウォーズ」等があります。

 

詳しくは, 他の方の記事に譲りますが,

「父親が敵だった」

という作品はエディプスコンプレックスの作品だと言えます。

 

・おわりに―今後の記事について

今回は, 堅い概念をお話をさせていただきましたが, もっと精神分析をわかりやすく紹介する目的で, 「文学考察」である作品を用いて, ご紹介できたらなと思います。

 

今, 持っている資料では,

「村上春樹文学の精神分析」

がありますので, ご紹介していく予定です。

 

 

 

・引用

―「やさしいカウンセリング講座―もっと自分らしくなれる, 純粋な癒しの関係を育むために―」

古宮昇 (2007) 創元社P.227

―「臨床心理学」 丹野ら (2015) 有斐閣

―「共感的傾聴術―精神分析的に”聴く”力を高める」

古宮昇 (2014) 誠信書房 P.50

 

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